2013-03-07
■ [book][prog] 型理論・型システムの定番の入門書「TAPL」の日本語版が発行されるぞ
Types And Programming Languages、通称TAPLの日本語版が発行される。 発売日は今月26日なのだが、すでにTwitter(の一部)で話題になって いたり、発売記念トークショーが予定されていたり(予約受付中)、あげくAmazonのランキングでニンジャスレイヤー4巻と並んだりと、専門書の発売とは思えない盛り上がりを見せている。
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TAPLといえば、大学のソフトウェア関係の研究室で輪講の題材として使われたりする、型理論の定番の入門書だ。 型理論(Type Theory)とは、静的型付け言語、特にHaskellやOCamlといった関数型言語の型チェックや型推論の基礎になっている理論だ。関数型言語に興味のある人なら、目次の中の「ラムダ計算」「多相型」「カインド」といった用語に目が止まるだろう。また例外やFeatherweight Java (Javaのサブセット)の話も出てくるようだ。
しかし原著は英語で7800円648ページと、個人が普通に買うにはちょっと勇気のいるアイテムだった。今回日本語になったことで、より気軽に読み始められるようになったと思う。 またオーム社から出るということで、オーム社eStoreからPDF版の発売も予定されているそうだ(10/17追記:PDF版はこちら)。けっこう重量がありそうだから有難い。
解説に使われているコードはOCamlだが、有志によって各種言語に移植されているそうだ(Togetterより)。
型システムの本といえば、五十嵐先生の「プログラミング言語の基礎概念」がある。京大の院の授業が書籍化されたもので、型推論の基本までカバーされている。TAPLはこれの3倍のページ数があるので、より踏み込んだ内容になっていると思われる。
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*1 なお、筆者は訳者のひとりであるmameさんから「献本しますよ」という約束をいただいていることを蛇足ながら追記しておく(ステマ回避)。